目次
  1. 保育園のサイトは入園検討者と在園家庭を分けて考える
  2. 見学前に知りたい情報を一か所に揃える
  3. 写真の公開範囲と確認担当を先に決める
  4. 職員が更新するページを絞る
  5. 制作費と園側の準備を同じ条件で比べる
  6. 制作会社へ相談する前に揃える項目

園児募集のためにホームページを作り直すことになり、見学の申し込みを増やしたい一方で、職員の更新作業は増やしたくないと考えていませんか。デザインや費用の比較から始めると、誰が見学の連絡に返事をするのか、子どもの写真を誰が確認するのかが決まらないまま制作が進みがちです。

発注前に決めたいのは、誰でも見られる園案内と在園家庭だけに届ける連絡を分けること、そして見学受付と写真確認の担当者を決めることです。 この2つが決まると、必要なページ、職員が更新する範囲、見積もりで確かめる作業が順に決まります。

この記事では、園児募集のサイト刷新と職員の更新負担を任された園長の方に向けて、保育園の案内、年度ごとの入園情報、写真の確認工程に絞って整理します。記事内の表は、発注前に記入するための提案です。保育園での効果を実証したものではなく、公開後の問い合わせ数を保証する内容でもありません。

保育園のサイトは入園検討者と在園家庭を分けて考える

園案内と在園家庭への連絡を分ける図 誰でも見られるページは園の方針と入園案内と見学と職員採用 在園家庭だけに届けるのは行事の詳細と持ち物と園内の写真
誰でも見られる園案内と在園家庭だけに届ける連絡を分けます

入園を考える家庭と在園家庭の案内は、同じ場所に混ぜないほうが整理しやすくなります。入園を考える家庭は園の方針や見学方法を知りたく、在園家庭は行事や持ち物などの日々の連絡を必要としているからです。

保育園・幼稚園の制作会社を紹介する記事でも、ホームページは保護者や地域住民とのコミュニケーションを強める手段として説明されています。なお、保育所保育指針※は、保育所が保護者や地域社会に保育の内容を適切に説明するよう努めることを定めています。紹介されている園の事例には、教育・保育の目標や入園時の注意事項を明確に載せたサイトがあります。ただし、読み手が違えば、載せる情報と置き場所も変わります。発注前に、次のように分けてみてください。

区分主な読み手載せる情報の例置き場所園内の担当
公開する園案内入園を考える家庭、地域の方園の方針、一日の流れ、年間行事、入園案内、見学方法、アクセス誰でも見られるページ園長または主任
在園家庭への連絡在園児の保護者行事の詳細、持ち物、園内の様子の写真、個別の連絡保護者だけが見られる場所、または既存の連絡手段担任や事務担当
職員採用求職者募集職種、働き方、応募方法誰でも見られるページ採用担当

表を埋めると、公開ページに載せない情報がはっきりします。 在園家庭への連絡を公開ページのお知らせ欄で済ませていると、園内の様子の写真や行事の詳細まで、誰でも見られる場所へ出てしまうおそれがあります。

在園家庭への連絡をホームページ内で扱うかどうかも、ここで決めます。幼保施設向けの制作サービスを公開している提供会社の中には、保護者向けの鍵付きページを基本の構成に含めず、オプションとしている例があります(2026年9月27日時点の同社サイトの説明)。限定ページを作るのか、今使っている連絡手段を続けるのかで、見積もりの範囲が変わります。

見学前に知りたい情報を一か所に揃える

見学を申し込む前の家庭には、見学の対象、日程、申し込み方法、返事をする人を一か所で伝えます。これらが入園案内とお問い合わせのページに分かれていると、読み手はページを行き来しながら条件を探すことになります。

先ほどの提供会社が示している基本のページ構成では、「入園案内」と「お問い合わせ」は別のページです。ページを分けること自体は問題ありません。見学に関する情報だけは入園案内の中にまとめ、申し込みの入口をそこから一つにする構成が考えられます。

次の表は掲載内容の例です。項目と書き方は園の実情に合わせて変えてください。

項目掲載例園内で決めること
見学の対象入園を考えている保護者の方(お子さまの同伴可)対象年齢や同伴の可否
日程平日の午前中、1回あたりの所要時間受け付けない時期(行事の前後など)
申し込み方法見学申し込みフォーム、または電話フォームと電話のどちらを主にするか
連絡先電話番号と受付時間保育中に電話へ出られる時間帯
返事をする人申し込みへの返事は担当職員から行う返事をする担当者と、不在時に代わる人
返事の目安何日以内に連絡するか実際に守れる日数
当日の案内持ち物、駐車場の有無、服装見学中に説明する人
年度ごとの入園情報募集の有無、受け入れ予定の年齢、申し込み手続き毎年いつ書き換えるか

特に決めておきたいのは返事をする人です。フォームを作っても、通知メールを誰が受け取り、誰が返事をするかが決まっていなければ、申し込みが届いたまま止まってしまいます。制作会社には、フォームの通知先を何人に設定できるか、あとから通知先を変えられるかを確認してください。

年度ごとの入園情報は、古い内容が残りやすいページです。申し込み手続きの説明は、園が正式に案内している手順と同じ内容にし、書き換える時期を決めておきます。

写真の公開範囲と確認担当を先に決める

写真を公開するまでの確認の図 撮影と候補の選定 掲載許可の照合 画面で確認 公開と記録の4段 確認担当は1人
写真は確認担当1人が掲載許可を照合してから公開し記録します

子どもの写真は、公開前に確認する担当者を1人決め、写真ごとに公開してよい範囲と確認した日を記録してから使います。撮った職員、選んだ職員、公開した職員が別々だと、誰が掲載許可を確かめたのかが分からなくなるからです。保育所保育指針※は入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うことを求めており、写真の確認工程はその実務の一つと考えられます。

先ほどの提供会社はよくある質問で、子どもが写っている写真を提供する場合は、事前に本人または保護者から掲載許可を得たものを渡すよう求めています。同社は、必要に応じて写真掲載の承諾書のひな形を提供できるとしています。掲載許可をそろえる作業は、制作会社ではなく園側の準備として求められることがあると考えておきましょう。

写真を集める段階で、次の整理表を作っておくと確認の抜けを見つけやすくなります。

記録する項目書く内容確認のポイント
写真の番号ファイル名や通し番号同じ写真が複数の名前で出回っていないか
撮影日と場面撮影した日と行事名など掲載許可を取った時期と合っているか
写っている人子ども、保護者、職員の有無顔が分かる人物の掲載許可があるか
公開の可否公開可、保護者限定なら可、使わない迷う写真は「使わない」にしておく
対象の媒体公開ページ、保護者限定の場所、紙の案内など許可を取った範囲と一致しているか
確認者掲載を判断した人の名前担当者が1人に決まっているか
確認日判断した日年度が替わったときに見直すか

公開までの流れは、次の順に決めておくと担当が明確になります。

  1. 撮影と候補の選定
    • 撮影する職員と、候補を選ぶ職員を決める
    • 候補の写真を整理表へ登録する
  2. 掲載許可の照合
    • 確認担当者が、写っている人の掲載許可を照合する
    • 許可の範囲に合わせて公開の可否と対象の媒体を書く
  3. 画面での確認
    • 公開前の画面で、写真と説明文の組み合わせを確認する
    • 園内の場所や名前など、写真以外に写り込んだ情報も見る
  4. 公開と記録
    • 公開した日と場所を整理表へ書き足す
    • 掲載をやめる依頼があったときに探せる状態にしておく

職員が更新するページを絞る

職員が自分で更新するページは、お知らせや資料のように更新の多いページに絞り、それ以外のページは見直す日と担当を決めるのが現実的です。すべてのページを職員が直せるようにすると、確認する人がいないまま内容が書き換わるおそれがあります。

先ほどの提供会社は、「お知らせ」や「各種資料」のアップロードなど一部のページを職員が更新できる仕様とし、職員が更新できるページを追加する場合は別途費用としています。公開後の修正は保守契約の中で月1回まで、テキストの修正は400文字まで、画像の差し替えは5枚までと説明しています。これは同社の条件ですが、職員が直す範囲と制作会社に頼む範囲を分けて決めるという考え方は、ほかの会社へ相談するときにも使えます。

次の表は、担当と見直す時期を決めるための例です。

ページ更新する人更新や見直しの時期公開前に確認する人
お知らせ担当職員随時主任
各種資料事務担当書類を変えたとき園長
見学案内見学の担当者日程を変えたとき園長
入園案内園長年度の募集を始める前制作会社と画面で確認
職員採用採用担当募集の開始時と終了時園長
園の紹介・一日の流れ制作会社へ依頼年に1回見直す園長

EQUAL DESIGNの制作現場では、Webサイトの動く部品を別の担当者へ渡すとき、画面見本を確認してから公開する手順を取っています。口頭の指示だけでは、制作物がどの状態にあり、どこまで公開してよいのかが伝わらず、確認前に本番へ出てしまう危険があるからです。

この経験は保育園のサイトで確かめたものではありません。それでも、書き換える人と公開前に確認する人を分けておくという考え方は、職員が更新するページにも当てはめられます。表の「公開前に確認する人」の列が空欄のページは、職員が更新する範囲から外すか、確認する人を決めてから任せる候補になります。

制作費と園側の準備を同じ条件で比べる

安い見積もりに写真や更新支援が含まれているかは、撮影、原稿、既存サイトからの移管、公開後の更新支援を同じ項目で並べると判断できます。金額だけを比べると、園側で用意する作業の量の違いが見えません。

公開されている料金の例は、会社ごとに対象が異なります。制作会社を紹介する記事では、1ページのLP(ランディングページ。1枚で完結する縦長のページ)で20万円からという目安が載っている会社があります。先ほどの提供会社は、職員採用ページを含む基本11ページを30万円(税別)からとし、原稿はライターが作成、写真撮影はオプションで別途見積もり、ドメイン移管のサポートもオプションとしています。同じ「20万円から」「30万円から」でも、ページ数も含まれる作業も違うため、そのまま比べることはできません。

見積もりを並べるときは、次の表を使ってください。

比べる項目確認する内容A社B社
金額税込みか税別か、初期費用と月額費用の区別
ページ数何ページか、見学案内や採用ページは含まれるか
原稿園で用意するか、取材や執筆を頼めるか
撮影撮影が含まれるか、別途費用か
写真の選定候補の選定や画像の補正を頼めるか
移管今のドメインやメールアドレス、掲載内容を引き継げるか
更新機能職員が更新できるページはどこか
操作説明マニュアルや操作の説明があるか
公開後の修正月額費用の中で頼める修正の回数と量
保護者限定の場所必要な場合に含まれるか、別途費用か
見学の申し込みフォームの作成と通知先の設定が含まれるか

空欄が多い見積もりは安く見えても、園側の作業が多く残っている可能性があります。 空欄の項目は、見積もりを受け取った段階で制作会社に確かめてください。

制作期間にも園側の準備が影響します。先ほどの提供会社は、原稿と写真がそろってからは通常1〜2か月、ヒアリングや原稿の確認、写真の用意を含めると全体でおおよそ4か月かかるケースが多いと説明しています。入園の募集を始める時期に合わせて公開したい場合は、写真の掲載許可をそろえる期間も含めて逆算しておきましょう。

制作会社へ相談する前に揃える項目

相談の前に、次の項目が埋まっているかを確かめてください。

  • 公開する園案内と在園家庭への連絡を分けた
  • 在園家庭への連絡をホームページで扱うかどうかを決めた
  • 見学の対象、日程、申し込み方法、返事をする人を決めた
  • 写真の確認担当者と、整理表に記録する項目を決めた
  • 職員が更新するページと、公開前に確認する人を決めた
  • 撮影、原稿、移管、更新支援を見積もりで確かめる項目に入れた
  • 公開したい時期と、その理由を書いた

すべてが決まっていなくても相談はできます。決まっていない項目は「未定」と書き、制作会社と一緒に決めたい項目として渡しましょう。何が未定なのかが分かっていれば、見積もりの前提をそろえやすくなります。

保育園のホームページ制作について相談するときは、見学の受け付け方法と、職員が更新したいページの範囲を添えてください。EQUAL DESIGNでは、伺った条件をもとに、ページ構成と公開前の確認の進め方を一緒に整理します。保育園での支援実績や公開後の問い合わせ数を約束するものではなく、撮影や原稿作成などの作業範囲は、要件を伺ったうえで確認します。

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