目次
BtoBサイトを作り直そうとすると、デザインの方向性やページ数から話が始まりがちです。ただ、BtoBサイト制作で先に決めるべきなのは、見た目ではなく、誰が社内で説明し、何と比べ、どの行動を商談につなげるかです。会社案内の情報を増やすだけでは、問い合わせの後の商談まで届きません。
BtoBでは、サイトを見た担当者がその場で発注を決めることは少なく、上司、現場、経理、経営者へ共有してから判断が進みます。そのため、サイトには営業担当が会う前に判断材料を渡す役割があります。
この記事を読むと、自社のサイトが入口・比較・稟議・商談のどこで止まっているかを見分け、制作の前に決めること、最初に直す場所、公開後に見る数字を順番に決められます。
BtoBサイト制作は会社案内で止めない
最初に分けるべきなのは、会社を知ってもらうページと、相談・比較・稟議を進めるページです。会社概要、沿革、代表挨拶だけでは、サイトを見た人は「候補に入れる理由」を社内で説明しにくくなります。
| 目的 | 必要な情報 | 商談へ進むための役割 |
|---|---|---|
| 認知 | 何の会社か、誰向けか | 最初に理解してもらう |
| 比較 | 強み、対応範囲、実績、費用の考え方 | 候補に入れてもらう |
| 稟議 | 導入後の流れ、注意点、判断材料 | 社内で説明してもらう |
| 商談 | 問い合わせ後に確認すること | 相談の準備をしてもらう |
この表で「比較」と「稟議」の行に当たる情報がサイトに無い場合は、会社案内で止まっている状態です。営業担当が毎回口頭で補っている内容があれば、それがサイトに足りない情報の候補になります。
商談につながるBtoBサイトの4層

商談につながるBtoBサイトは、入口、比較、稟議、商談の4層で設計します。どの層が弱いかを見れば、制作で直すべき順番が見えます。
入口
入口は、検索、紹介、広告、SNS、営業資料から来た人が、自社に関係のある内容だと分かる場所です。サービス名だけでなく、対象の業種、解決する課題、対応できる範囲を冒頭で示します。
比較
比較の層では、他社と比べるための材料を置きます。対応できる範囲、制作後の運用、実績、費用の考え方、相談前に用意してほしい情報が無いと、検討の候補から外れやすくなります。
稟議
稟議の層では、社内で共有するための説明を用意します。導入後の流れ、担当者が準備するもの、何をもって成果とみなすか、注意点を整理しておくと、担当者が社内で説明しやすくなります。
商談
商談の層では、問い合わせの後に何を確認し、どの範囲を提案するのかが見えていることが大切です。「お問い合わせください」だけで終わらせず、相談の時に課題、今のサイト、目標、制約を確かめる流れにしておきます。
制作前に決める3つの軸

BtoBサイト制作では、デザインの方向性より前に「誰に、何を、どう測る」を決めます。
誰に、何を、どう測るの3軸があいまいなまま制作すると、きれいな会社案内にはなっても、商談につながる判断材料が足りなくなります。
| 軸 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 誰に | 実務の担当者、決裁者、実際に使う部門 | 現場の担当者と経営者で見る情報を分ける |
| 何を | 比較材料、対応範囲、導入後の流れ | 実績、費用の考え方、進め方、よくある質問 |
| どう測る | 問い合わせへの案内、商談に進んだか、相談の中身 | 問い合わせの件数だけでなく相談の内容を見る |
「どう測る」では、CTA(問い合わせボタンなど、読者に次の行動を案内する部分)をどこに置き、押された後に何が起きれば成功とみなすかまで決めておきます。
検索から来る人に向けては、SEO(検索結果に表示されやすくするための対策)の基本も押さえます。Google検索セントラルのSEOスターターガイド※では、似た内容のページをまとめた分かりやすいサイトの構造や、関連するページへのリンク、そのページに固有で内容を正確に表す題名などが基本として紹介されています。ガイドではあわせて、役に立ち、信頼でき、読む人を第一に考えた内容を作るよう勧めています。
商談につながりにくいサイトでよく起きる不足
中小企業のBtoBサイトでは、次のような不足がよく起きます。
- 誰向けのサービスなのかがあいまい
- 実績はきれいだが、どこまで依頼できるのかが分からない
- 費用や進め方が見えず、比較の候補に入れにくい
- 問い合わせの後の流れが分からない
- 検索や広告から来た人が見るページと、問い合わせまでの流れがつながっていない
どれも、見た目を整えるだけでは解決しません。稟議で説明する人、実際に使う部門、問い合わせの後の商談まで見て、どの層の情報が足りないのかを先に確かめます。
最初に直す優先順位
全部を同時に作り直す必要はありません。今のサイトがある場合は、問い合わせや商談に近い場所から直します。
- 対象読者をはっきりさせる
- トップページかサービスのページで、誰向けのサービスなのかを冒頭で示す
- 比較材料をそろえる
- 実績、対応範囲、費用の考え方を、他社と比べられる形で置く
- 問い合わせ前の確認事項を置く
- 相談の前に確認することを、CTAの近くに書いておく
- 関連する記事からつなぐ
- コラムなどの記事から、サービスのページへのリンクをつなぐ
- 商談まで測る
- GA4(Googleのアクセス解析)、Search Console(Googleの検索での表示を確かめる無料の道具)、問い合わせの内容をあわせて見る
問い合わせそのものが少ない場合は、ホームページから問い合わせが来ない理由を整理した記事で、案内の流れの側を先に確かめてください。検索で見つかる情報をAIの回答にも使われやすくする考え方は、SEOとの違いから整理した記事で確かめられます。
商談につなげるために本文へ入れる情報
ページの数よりも、検討している人が次に確かめたい情報がそろっているかを見ます。サービス紹介、実績、費用、よくある質問があっても、読者が社内の説明に使えない形なら、商談にはつながりにくくなります。
実績は業種名だけで終わらせない
実績のページでは、見た目の画像だけでなく、依頼の前の課題、担当した範囲、公開後の運用を分けて書きます。公開できる数値が無い場合でも、どの工程を担当したか、何を判断して制作したかを残すと比較材料になります。
費用は確定額でなく考え方を示す
BtoBサイト制作の金額は、ページ数、撮影、原稿、CMS(専門知識が無くてもページを更新できる仕組み)、運用の範囲で変わります。確定した金額を出せない場合でも、費用が変わる条件、見積もりの前に確認する項目、優先順位を示すと、読者は相談しやすくなります。
問い合わせ前の不安をよくある質問で回収する
よくある質問は飾りではありません。納期、準備するもの、今のサイトの扱い、公開後の運用、検索や広告との関係など、商談の前に止まりやすい疑問を回収します。問い合わせボタンの直前だけでなく、比較が深まる位置に置くと自然です。
問い合わせ後の流れを見せる
問い合わせの後に何を聞かれるのかが見えないと、読者は行動を先延ばしにします。最初の相談で確認する内容、用意してほしい資料、提案までの流れ、対応できない内容を前もって示しておくと、相談の中身も具体的になりやすくなります。
制作後に見る数字
成果は、公開したかどうかではなく、検索、閲覧、問い合わせ、商談のどこが動いたかで見ます。公開した直後に結論を出さず、少なくとも検索での反応と問い合わせの内容は分けて記録します。
| 見る段階 | 見る数字 | 判断すること |
|---|---|---|
| 検索 | 表示回数、クリック率、平均掲載順位 | 見つかっているか |
| 閲覧 | 読まれ方、CTAのクリック | 読まれて次へ進んでいるか |
| 問い合わせ | 問い合わせの内容 | 相談に近い内容か |
| 商談 | 商談や提案へ進んだか | 事業につながったか |
検索の段階の数字は、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで確かめられます。問い合わせの件数だけを見ると、内容の薄い相談や営業のメールも混ざります。BtoBでは、相談の内容が具体的か、今のサイトや課題が共有されているか、提案へ進める条件がそろっているかを分けて判断します。
改善の仮説は1回に1つにする
公開後に数字が弱い時、題名、ページの構成、CTA、実績、費用、よくある質問を同時に変えると、何が効いたのかが分かりません。最初は1つの仮説だけを変えます。
たとえば、表示回数はあるのにクリックが少ないなら、検索結果に出る題名と説明文の約束を見直します。読まれているのにCTAへ進まないなら、比較材料や相談前の不安を見ます。問い合わせはあるのに商談へ進まないなら、フォームで聞く項目や、CTAで約束している内容がずれている可能性があります。
営業担当の声も見る
BtoBサイトはWebだけでは完結しません。問い合わせの後に、営業担当が「説明しやすくなったか」「見込み客が事前に理解していたか」「よく聞かれる質問が減ったか」を確かめます。
サイトの数字と営業担当の実感がずれる場合は、ページが読まれていても、商談の材料としては足りない可能性があります。改善の時は、アクセス解析の数字と営業のメモを、同じサービスやページの単位で並べて見ます。
EQUAL DESIGNの対応範囲
EQUAL DESIGNでは、ホームページ制作の中で、情報設計からデザイン・実装・基本的なSEOと公開時の設定までを行っています。制作の方法は、ノーコードでの制作とオリジナルの開発から、更新のしやすさや必要な機能に合わせて選べます。
よくある質問
BtoBサイト制作では何を最初に決めるべきですか?
最初に決めるのはデザインの雰囲気ではなく、誰に、何を、どう測るかです。実務の担当者、決裁者、問い合わせの後の商談までを分けて考えます。
BtoBサイトは会社案内だけでも十分ですか?
足りないことが多いです。会社案内は信頼の土台になりますが、比較材料、稟議の材料、問い合わせの後に確認することが無いと、商談へ進みにくくなります。
制作にはどれくらいの期間と費用がかかりますか?
ページ数、原稿や写真の有無、必要な機能、公開後の運用の範囲によって変わるため、一律には言えません。相談の時に、今のサイトと必要な範囲を確かめてから見積もります。
制作した後すぐに商談が増えますか?
商談が増えるとはお約束できません。公開後にSearch Console、GA4、CTAのクリック、問い合わせの内容を見ながら、どの層で止まっているかを確かめて直していきます。
まとめ
BtoBサイト制作は、きれいなページを作るだけでは足りません。入口、比較、稟議、商談の4層を設計し、営業担当が会う前に判断材料を渡せる状態に整えることで、問い合わせの後の商談に近づけます。
まずは、自社のサイトが会社案内で止まっているのか、比較材料まで渡せているのかを確かめてください。足りない層が見えれば、制作の範囲と直す順番を決めやすくなります。
無料相談
自社のサイトが会社案内で止まっているのか、比較材料まで渡せているのか判断がつかない方や、どこから直すかを決めたい方は、お気軽にご相談ください。
今のサイトと営業の流れを一緒に見ながら、入口・比較・稟議・商談のどの層から直すかを整理します。










